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炳霊寺石窟観光案内
   

炳霊寺石窟(へいれいじせっくつ)
中国,甘粛省永靖県の黄河北岸,小積石山にある仏教石窟。 1952年に発見された。上寺と下寺に分れるが,上寺には2つの石窟が,また下寺には洞窟 36ヵ所,壁龕 88ヵ所が残っている。西秦,北魏,唐,明の各時代に造られたものと思われ,内部には多くの石仏や,若干の壁画が遺存する。中国の甘粛省永靖県の西約50km,黄河上流の小積石山にある紅砂岩の仏教石窟。〈炳霊〉は,チベット語で〈十万仏〉を意味する。1952年来の調査により183にのぼる石窟や龕(がん)が知られている。唐代の窟?龕が多く,ついで北魏代のものがあり,明窟もある第169号窟は,西秦の建弘元年(420)の墨書銘がある高さ5mほどの自然窟で,現段階では中国最古の石窟。石仏,塑像のほか説法図や飛天などの壁画があり,とくに円輪光背の説法図は西方と関連して重要。

炳霊寺石窟が造られ始めたのは西秦の建弘元年(420年)で、石の彫像が美しいことで有名。石窟は上寺、洞溝、下寺に分かれていて、赤砂の岩に点々と口を開けている。中でも下寺は長さ2キロにわたって、上下4層に石窟や仏龕が点在している。現在寺院には石の彫像が694体、粘土の塑像が82体、壁画が約900㎡残っている。石窟や仏龕は西秦、北魏、北周、隋、唐、元、明、清各時代のものが合わせて183、そのうち中唐に造られたものが三分の二以上を占める。中でも地上60mの自然の洞窟に造られた「唐述窟」(第169窟)は最大規模を誇り、面積は200㎡もある。北側の壁面には「西秦建弘元年」の銘が書かれていて、これは今まで発見された中国の石窟の銘の中で最も早い時代のもの。

炳霊寺石窟で最も特徴的なのは石の彫像、仏塔のレリーフ、密教壁画芸術で、漠高窟、麦積石窟と並んで甘粛省の三大石窟の一つ。また石の彫刻は当時のこの地方の社会状況や民俗、音楽、踊り、装飾品など如実に反映していて、歴史的考古学的な価値も兼ね備えている。

蘭州からは劉家峡の水力発電所のダムまで車で75キロ、さらにそこから船に乗り換えて高原の湖を54キロ進み、西に曲がって峡谷に入り、姉妹峰を過ぎればすぐに到着する。