ナラティからイリ河をたどって下流に下った昭蘇(しょうそ)というところにある。これは、古代騎馬遊牧民と定住農耕民の関係を現す。その遺物というのは小洪納海石人というもので、石人とは遊牧民をかたどって草原に置かれた石像なのである、新疆の草原地帯には200体もの石人があちこちに点在していて、その多くは、突厥時代に作られたものと考えられている。この小洪納海石人には、他の石人とは大きく異なる特徴がある。それは、この石人の下半身の部分に、ソグド文字(元々シルクロードの交易の民として知られるソグド人の文字で、後に突厥もこの文字を使用するようになる)が刻まれているのである。その文字は摩耗が激しく、また読める研究者も極めて限られている特殊な文字なので、久しく読解が困難とされてきました。