夏河県(かが-けん)は中華人民共和国甘粛省甘南チベット族自治州に位置する県。県人民政府の所在地はラプラン鎮。東は合作市、南はルチュ県,北は臨夏県、青海省循化サラール族自治県、同仁県、西は青海省ツェコク県に隣接します。チベット族が総人口の約78%を占めます。チベット族は西蔵だけに限らず、青海省、雲南省、四川省のほかに甘粛省にも定住しています。甘粛省の南部、甘南地方の夏河もチベット族の町です。バックパッカータウンの一つでもあり、小チベットとも言われます。夏河には拉卜楞(ラブラン)寺があり、夏河は拉卜楞寺の門前町みたいなところです。夏河のメインストリート。チベット人やラマ僧が多いが、この通りは中国人が住むところらしい。チベット人が住んでいるところは別のところにあります。
「甘粛省の夏河に行こう 前編」からの続きです。ラプラン寺の南、マニ車が並んでいる巡礼の道の先にある貢唐宝塔は、1805年(清朝の嘉慶11年)に建設された仏閣です。黄金に輝く仏閣は文化大革命の時に破壊されており、現存しているのは1993年に再建されたものです。貢唐宝塔を過ぎると、その先は、チベット人集落がある地区で、さらに先に行くと、桑科高原です。夏河からお隣の青海省西寧に行く時に通る桑科高原は、晴れの日ならどこまでも青い空と草原が広がっているところです。多くの日本人があこがれるであろう草原を楽しむチャンス。
さて、夏河中心部を観光した後は、どうするかです。夏河は、人によって観光にかかる時間が、かなり異なる場所です。ラプラン寺の見学とメインストリート沿いに多い仏具店でチベットグッズを買うだけなら、1泊2日か2泊3日で充分です。ラプラン寺を挟んで南北にある、小高い丘とも山とも言える場所に登って、ラプラン寺の全景写真を撮ろうとしたり、桑科高原や周辺のチベット人集落まで尋ねると、2泊3日でもギリギリどころか時間が足りないぐらいです。
夏河がある甘南チベット族自治州は、その名の通り、チベット人が多く住んでおり、ここもかつてチベットだったところです。夏河周辺は、チベット文化を体験できる場所そのものです。夏河から近いところならバスで約2時間の合作がおすすめです。夏河と同じく標高が高いので涼しさは同じですよ。南北に細長い合作は、このあたりの交通の要衝です。見どころは、町の最北部にある合作寺と米拉日巴仏閣。米拉日巴仏閣はミラレパ?ラカンと呼ばれるえんじ色をした高層の仏閣です。合作は夏河より大きな町なので、夏河に戻ることなく蘭州に出られ、しかも高速道路が通っているので、蘭州に早く戻れるので便利です。
夏河から直接、青海省の省都である西寧に出るという手もあります。夏河から西寧は、毎日2本バスが出ており、片道約7時間で到着です。夏河から西寧へは、桑科高原を通って行くので、草原旅情も楽しめます。夏河から西寧方向に約30キロのところに甘加(ゲンジャ)と言う小さな村があります。このあたりは、非常にきれいな草原なので、できれば降りてみたいところ。西寧は、ゲルク派の6大寺院のひとつであるタール寺があるほか、青海湖への基点となる町です。タール寺は、西寧の町から片道約40分ほどで行ける、日帰り観光スポットです。西寧なら上海や北京への飛行機も多く、帰国の際は、非常に便利です。
合作がある甘粛省は、シルクロードの出発点になっている西安の西側にあります。東西に細長い省で、合作は甘粛省南部に位置しています。このあたりは、チベット族が多く住む甘南チベット族自治州です。甘粛省の省都、蘭州と四川省の省都、成都を結ぶ幹線道路沿いにある合作市は、甘南チベット族自治州の中では、かなり大きな町です。自治州府も合作市にあります。南北に細長い合作市の北部の丘に建っているのが、合作市のシンボルと言える仏閣、ミラレパ?ラカンです。
夏河や、甘粛省の省都の蘭州から合作にやってくるバスは、このミラレパ?ラカンの前を通っていきます。ミラレパは、チベット族に最も人気がある歴史上の人物です。復讐のため親戚や村人など、多くの殺人をおかしてしまったことを悔いたミラレパは、仏教を学び、厳しい修業ののちに悟りの境地に達したと言われています。大きなお寺に行くと、必ずミラレパの像があります。チベット仏教の4つの宗派の開祖と並んで祀られているほど、ミラレパは人気があるキャラクターです。
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